整理収納アドバイザー 源馬裕子
デスクまわりがゴチャゴチャで仕事に集中できない、
ほしい書類がすぐに見つけられないなど、
少なからず皆さん経験していると思います。
今回は、ビジネス上の書類の整理についてのコラムです。
書類が整理されていると?
書類が整理されていると仕事の効率が上がり、イライラすることも少なくなります。
判断や決定が迅速にできますし、
まわりの人との関わりもスムーズにいくことで、
自分自身の仕事のモチベーションもあがりますね。
文書整理をすることであなたのオフィスが清潔に明るくなり、
業績アップにつながることでしょう。
- 入手してから廃棄するまでの流れを決める
- 仕分けの仕方、分類を決める
- 廃棄する基準、時を決める
- 文書の共有化とセキュリティ管理をする
1:入手してから廃棄するまでの流れを決める
文書は大雑把にいうと、【発生⇒保管⇒保存⇒廃棄】という流れで動かしていきます。
この流れが滞ってしまうとオフィスが文書で、あふれかえってしまいます。
保管と保存の違いを簡単にいうと、
保管は、良く使う文書を事務室内の机やキャビネットにわかりやすく取り出しやすくファイルしておきます。
保存はほとんど使わなくなったけど重要度の高い、とっておかないといけない文書を文書箱に入れ、別室の書庫などでわかりやすく管理します。
整理収納の基本のひとつに使用頻度で分ける、ということがあります。
文書も使用頻度に応じて管理する場所を移動させ、
使用保管目的のなくなったものは最後は廃棄する流れになります。
自営や小さなオフィスでは必ずしも書庫があるとは限りませんが、流れにそって書類をしっかり区分けする、ということが仕事の効率につながります。
毎年定型的に発生する現年度の文書や、
年度を問わずよく参照するマニュアルや契約書等の文書、
現在進行中の文書などは、キャビネットの1段目と2段目のような取り出しやすいところにしまいます。
使用頻度が少なくなると、多少使いにくくなる位置に移動させます。
常に移動させる書類もありますが、年度ごとの書類は毎年、年度のかわる時に下の段に移します。
3段キャビネットの3段目が前年度の文書になります。
この移し替え(=事務室内で文書を移動する)のときに不要文書を廃棄して文書のダイエットをはかります。
ここまでは事務室内で管理していますので、「保管」になります。
「保存」は、あまり見ることのなくなった文書ですが、
必要な時にすぐ見つかるように住所を決めて書庫や別室などへ移動させ管理します。
前年度より前の文書などがこれに該当します。
この時も不要文書をそのまま保存することがないように置き換える(=事務室から書庫などに移す)際にチェックをして量を減らしましょう。
法律で保存年限が決まっている文書は期限が来るまでは保存し、その後廃棄します。
それ以外の文書もいつまで保存するのか、前もって社内で決めておきます。
2:仕分けの仕方、分類を決める
文書を作成、入手したらどこに入れるか仕分けをします。
急いでいるときでも他の文書と混ざらないように、
クリアホルダーに入れるなどして分けておきましょう。
私はクリアホルダーの一番前にタイトルの紙をマジックに書いて挟んだり、
ホルダーの色分けをするなど、簡単でも自分なりにわかりやすくしておきます。
その後は持出しフォルダーというタイトルがすぐわかるようになっている、
まちつきフォルダーにクリアホルダーごと入れておきます。
綴じる必要がないファイルです。 (この後の写真参照)
そのフォルダーは日中その仕事に取り掛かっている間はデスクの上に立てて出してあります。
その日の使い終わった時点でキャビネットもしくはデスクの引き出しにしまいます。
自分が急に休むと困るようなものは、他の人にもわかるようにキャビネット内に入れます。
仕事の進行具合に伴い、文書を違うファイルに移し、使い勝手のよいように工夫します。
どのようにファイルを分けたらよいかは自分の業務やその流れを1つずつ書き出してみて、項目を決めると良いでしょう。
ひとつのファイルにたくさん入れすぎると使いにくくなりますから、
ぎゅうぎゅうの場合は別のファイルに分けましょう。
また、綴じたり外したりが簡単で、見出しをつける方法が簡単なファイル用品がおすすめです。
ほしい文書がすぐ見つけられることが大事なので、
誰でもわかりやすいタイトルを見やすいようにつけます。
書類が外しやすければ捨てることが面倒でなくなります。
本当に綴じることが必要な書類なのかを考えてみるのも良いですね。
私の使っている持ち出しフォルダーの一例です。
お客様からの見積り依頼があると、
一軒ごとクリアホルダーに必要書類を入れ、
持ち出しフォルダー内に伺う日付順に並べておきます。
伺った後、返事待ちの場合はフォルダー内の一番後ろにまたクリアホルダーを戻します。
返事をいただき成約した場合は、
キャビネット内のサービス種別ごとのファイルに移し保管します。
成約しなかった時は「見積りのみ」のファイルに移し、短期間保管後廃棄となります。
キャビネット内ファイリングの様子。
見出しガイドの分類(黒い山のところです)や、
個別フォルダーのタイトル名は反対側から見えます。
使う人が向こう側からファイルを見にくるため、このような向きになっています。
3:廃棄する基準、時を決める
事務員が見る文書の99%が作成、
収集されてから1年以内の物という米国の「ナレムコの統計」というものがあります。
1年以上たった文書はめったに見ないということになります。
何のためにいつまで取っておくのかを考えて保管しましょう。
日々の業務や一プロジェクト(一連の仕事)を終えたら、
文書整理の時間を持ちます。
- 下書き、メモ、など用の済んだものは捨てる
- データのバックアップを取ってあるものは捨てる
(心配なもの、文書としてあると便利なものは一部のみ保管) - 再び入手可能な資料は捨てる
- 他の人も持っているものは共有管理することで数を減らす
4:文書の共有化とセキュリティ管理をする
個人で調べたり集めた資料は、
自分の机の書類が入る深い引き出しにファイルごと立てて保管します。
他の人にも情報の共有が必要なものは、
キャビネットに保管し、自分が休んだ時なども困らないようにします。
社外秘の書類や取扱い注意のものなどは、
施錠のできるキャビネットなどで管理し、
取扱いできる人を決める、管理責任部署や責任者を決めるようにします。
デスク右側の一番下の深い引き出し。
ファイルを引き出し手前(写真の右側)から奥(左側)に向かって並べますが、
写真のような形でファイルボックスを使って仕切っても使いやすいですね。
手前が座っている場所ですから、
前のボックスからよく出し入れする書類を入れるようにすると便利です。
ビジネスの書類の整理でお悩みの方は、弊社まで、お気軽にご相談くださいね。